新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のために3月23日にイギリス政府が外出禁止令を出してから、約1週間半が経ちました。イギリスの状況について聞かれることが多いので、今日は現在のイギリスのロックダウン生活の様子をお伝えしながら関連する英語をいくつか解説します。(最新の正確な情報は政府のウェブサイトで確認してください。)
Stay at home. Protect the NHS. Save lives.
これは最近イギリス政府が国民に繰り返し訴えているメッセージです。このままコロナウイルスの重症患者が増え続けるとイギリスのNHS(National Health Service/国民保健サービス)は崩壊し、本来なら救える命も救えなくなってしまうので、自分を守るためだけでなく重症化してしまう人や医療のケアを本当に必要としている人の命を守るために家にいましょう、という意味合いが強いです。
fine
今は生活必需品の買い物に行くため、1日1回までの運動をするため、どうしても避けられない重要な仕事のため、など政府が認めている理由以外で外出することが禁止されています。それを守らないと逮捕されたり、fine(罰金)を取られたりする可能性があります。
social distancing
socialは「社会的」、distancingは「距離を取る」という意味なので、social distancingは「社会の人々と物理的な距離を取ること」を表します。家の外に出る必要がある場合、現時点では他人と最低2メートルの距離を取るようにイギリス国民は指示されています。政府のウェブサイトには、Do not meet others, even friends or family.と載っています。これは命令形の英語なので、日本語にすると「人と会うべからず。友達や家族とも。」というような強い口調です。生活必需品の買い物に関して、政府はネットスーパーの使用をすすめていますが、どこのスーパーも予約するのがとても難しい状況です。街のスーパーではお客さんや店員さんとの距離を保つために入場制限があったり、レジの店員さんを守るためのスクリーンが設置されたり、列に並ぶ時にお客さん同士が距離を保つためにどこに立つべきかという印が付けられたりしています。
self-isolation
コロナウイルスの症状がある人は買い物にも行かずに家にこもるように指示されていて、これをself-isolation(自主隔離)と言います。コロナウイルスは潜伏期間が長いため、症状がある人と一緒に暮らしている人は症状がある本人よりも長い期間self-isolationをするように指示されています。
イギリスでは、スーパーや薬局など生活必需品を販売しているお店以外は営業停止の指示を受けていて、レストランやカフェ、ジム、学校なども全て閉まっています。当然、この状況では働けない人が多いので、政府はそういった問題を抱える企業に対して従業員の給与の80%(一人につき月2500ポンドまで)を支給すること、自営業者に対しても条件を満たす人には普段の一ヶ月当たりの収入の80%を支給することを発表しています。
このような状況の中で、精神的ストレスを少しでも和らげてくれたり、少しの時間でも忘れさせてくれる「何か」を探し、希望を捨てないことが多くの人にとっての重要な課題ですが、個人的にはこれまでの生活を連想させない昔の時代の映画鑑賞が良い気分転換になっています。例えば、Sense and Sensibility(いつか晴れた日に)という映画は、イギリスを代表する小説家のJane Austen原作で、19世紀のイギリスが舞台のおすすめ映画です。