2020年1月8日、ヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)は英国王室のシニアメンバーの立場から身を引き、経済的独立を目指す意向を発表しました。二人がインスタグラムで公開した声明の内容は事前にエリザベス女王やチャールズ皇太子、その他の王室メンバーにも相談がなかったそうで、英メディアは二人の話題で持ちきりです。今日はこの話題に関する報道からピックアップしたいくつかの英語表現を解説します。
Megxit
英国王室の主要な役割から距離を置くというヘンリー王子とメーガン妃の電撃宣言は、イギリスのタブロイド紙やソーシャルメディアでMegxit(Meghan + exit)と呼ばれています。これは、「イギリスのEU離脱」を指す造語Brexit(British+exit)に引っかけたスラングで、今回の二人の決断においてメーガン妃がリーダーシップを取っているという見方が背景にあります。
You can’t have your cake and eat it too.
二人の表明に対して、That is “wanting to have your cake and eat it”というような意見がありました。これはYou can’t have your cake and eat it too.という英語のイディオムに由来しています。このイディオムは言葉の順番が少し理解しづらいですが、①ケーキを食べることと②ケーキを後のために残しておくことは両立できないので、「相反する二つのことを成し遂げるのは不可能」という意味を表しています。二つ手に入れたいものがある、でもどちらか一つを選ばなければいけないという時などに使用されます。
ヘンリー王子とメーガン妃に関しては、①王室の主要な役割から距離を置き、プライバシーを求めることと②王室メンバーとして厳重な警備を受けながら英国と北米をプライベートジェットなどで行き来する生活を送ることなどが「相反する両方のいいとこ取りをしようとしている」と解釈され、They want to have their cake and eat it. という意見が出ています。
bombshell announcement
今回の報道でよく見かけるフレーズで、突然の衝撃的な発表という意味です。良くない意味で使われるので、日本語の「爆弾発言」に似ています。
unprecedented
二人の声明文の内容は、unprecedentedとも表現されています。precedentは「前例」という意味なので、unprecedentedは「前例のない、異例の」という意味です。例えば、unprecedented situationは今までにない異例の状況を指します。
downright furious
本当かどうかは分かりませんが今回の電撃宣言に対してエリザベス女王はdownright furiousだろうという表現がありました。downrightは悪い状況などを強調する時に「徹底的な、まったくの」などという意味で使用されます。
感情の強さを表すと:
- angry = 怒っている(眉間にシワがよっている)
- furious = 激怒している(顔が真っ赤)
- downright furious = 完全に激怒している(炎が見えそう)
というようなイメージです。
最後に
英語のニュースを読んだり見たりすることは、ネットがあれば誰でも毎日の隙間時間で簡単に取り組める英語学習法です。ポイントは全ての言葉を理解しようとせず、見出しに使われている言葉や気になるフレーズを1つでもいいので調べて、英語力向上を習慣化することです。イギリス在住の私は、無料で様々なニュース記事が読めるBBCのウェブサイトを一番よく使います。イギリス英語を学習したい方におすすめです。
参考記事:
https://www.bbc.co.uk/news/uk-51052555
https://www.bbc.co.uk/news/uk-51043220
他