英会話で言葉に詰まってしまうという相談をよく受けます。それを改善するために多くの英語学習者は英文法や単語をもっともっと覚えようとしますが、沢山の英語を覚えることが必ずしも沢山の英語を使えることにつながるわけではありません。
どんなに知識をたくさんインプットしても、その知識が必要な時にアウトプットできなければ、あまり意味がないからです。
言葉に詰まる問題を改善するためには、実際の会話で必要な英語を記憶の中から取り出せるように普段から準備を行なうことが大切です。今日はその方法を提案します。
心理学では、記憶力を上げるために
- 情報を整理すること
- 自分との関連性を深めること
- 間をあけて復習すること
などが効果的だと言われています。
それを踏まえた上で私がおすすめする改善法は、自分専用の場面別の英会話マニュアルを作るということです。例えば、「初対面マニュアル」、「雑談マニュアル」、「買い物マニュアル」、「会議マニュアル」、「空港マニュアル」、など場面ごとに自分が実際に使える文法やフレーズを書き出します。それらの英語を使う合図となる相手の質問やその場面での注意点など他に役立つ情報も書いておきます。
実際の英会話では、「はい、今から現在完了形を使って回答してください」というような合図はないので、予め文法と場面を結びつけておく必要があります。新しい英文法を学習する度に自分が実際に使える例文を作り、それを使える場面のマニュアルに書き足します。これで、その英語と場面が記憶の中で結びつきやすくなり、学習した英語が必要な場面でアウトプットしやすくなります。
記憶力を上げるためには復習することも大事なので、定期的に場面別のマニュアルを開いて会話の流れを練習することも大切です。
そして、例えば会議の前日は「会議マニュアル」を復習します。これで学習してきた英語が当日の会議の場面で活かしやすくなります。会議が終わったら、上手くいった点や足りなかった情報を会議マニュアルに書き足すことで、次の会議のための「会議マニュアル」が前よりもバージョンアップします。(分からない点は英語の先生や英語の得意な人に確認してもらえると尚いいです。)
この作業を毎回繰り返せば、実用的な英語力を確実に伸ばすことができます。
本やネットにも場面別のフレーズ集などは載っていますが、ポイントは自分専用のマニュアルを作るということです。他の人が作ったマニュアルには自分にとって必要のない場面も載っているかもしれませんし、フレーズの例文が自分の使う機会のない内容かもしれませんし、使われている英語が自分のキャラに合っていないかもしれません。
自分が実際に使える英語の表現を「文法別」ではなく「場面別」にマニュアル化して整理しておくことで、インプットした情報が必要な場面でアウトプットできるようになり、覚えた英語を自分のものにすることができます。英会話で言葉に詰まると悩んでいる方は、英語のインプットの量よりも先にインプットの仕方を見直すことをおすすめします。