「they」は、「彼ら」、「彼女ら」、「それら」など複数の人、あるいは複数の物を指す時に使う代名詞だと習った方が多いと思います。
でも、英語では一人の人を指す時にも「they」を使う場合があります。今日は、英語学習者が知っておいた方がいい2つの代表的なケースをご紹介します。
1つ目の使い方は、相手の正体が分からないsomeone(誰か)の話をする時。この使い方については、知っている方も多いかもしれません。
Someone has left their phone. They’ll probably come back soon.
誰かが携帯を忘れて置いていっちゃった。(その人は)多分もうすぐ戻ってくるよ。
この例では、忘れ物をした人の性別が分からないので、heやsheを使うことはできません。最初の文では、主語の「誰か」はsomeoneで表し、「その人の携帯」はtheir phoneで表し、次の文では「その人」のことをtheyで表しています。
日本語だと主語を省くことが多いですが、英語では日本語と比べると主語を省くことが少ないので、このようなtheyの使い方も覚えておくと便利です。
2つ目の使い方は、相手がノンバイナリージェンダーで、heやsheと呼ばれるよりもtheyと呼ばれることを希望している場合です。
ノンバイナリージェンダー(non-binary gender)は、男性か女性のどちらにもはっきりと当てはまらない性別のアイディティティのことです。
ノンバイナリージェンダーの人達が全員theyと呼ばれたい訳ではないみたいですが、中にはtheyと呼ばれる人達もいるということを頭に入れておくことで、「自分が習った単数形と複数形の代名詞のルールと違う」と混乱してしまうような状況を避けられると思います。