日本人は日常的にカタカナ語を使用しますが、そのほとんどは英語では通じません。その理由は、単純に日本語と英語の発音が異なるから、ということだけではなく、日本語には英語以外の西洋語に由来している外来語や日本人によって作られた和製英語も沢山あるからです。今日は、語形や意味が日本語化している外来語や多くの日本人が英語だと思い込んでいる代表的な和製英語をいくつか紹介します。
アルバイト
「アルバイト」はドイツ語のarbeitという言葉に由来していて、英語ではアルバイトのことをpart-time jobと呼びます。
スタイル
日本語では「彼女はスタイルが良い」と言うと体型のことを意味しますが、英語ではShe has a nice style.と言うと服装や髪型などファッションが良いという意味になります。「彼女はスタイルが良い」は英語で、She has a good figure.と言います。「彼はスタイルがいい」は、He is in good shape.と表現することができます。(ただ、in good shapeは体調が整っているという意味もあります。)
クレーム
「クレームする」は誰かに対して苦情を言うことを意味しますが、英語でclaimは何かを主張することや要求することを意味します。苦情を言うことはmake a complaintと表現します。
スマート
「スマート」は日本語ではほっそりとした体型を意味する時や洗練されている様子を表す時によく使われますが、英語のsmartは、一般的に服装などが上品な印象という意味、あるいは頭が良くて賢いという意味を表します。前者だったら、You look very smart in your suit. (スーツ姿すごく素敵です)、後者だったらHe is a very smart boy.(彼はとても賢い男の子です)など。日本語の「スマート」のように良い意味でほっそりしていることを表したい時はslimと言います。
プリント
学校などでの印刷物のことを日本語では「プリント」と言いますが、英語ではprintは印刷をすることやプリント模様のことを意味します。誰かに配る印刷物はhandoutと言うのが一般的です。
メール
「メール」は日本語だと電子メールのことを意味しますが、英語ではmailというと郵便を意味します。パソコンやスマホで送るメールのことはemailと呼ぶ必要があります。
ベビーカー
「ベビーカー」は、赤ちゃん用の乗り物ということで、babyとcarを足した和製英語です。英語では、地域や人によってstroller、pram、buggy、pushchairなど様々な呼び方をしますが、baby carと言っても伝わりません。
セレクトショップ
色々なブランドから商品を揃えているお店のことを日本ではselectとshopを合わせて「セレクトショップ」と呼びますが、これも和製英語なので、英語ではmulti-brand shopのように表現しないと伝わりません。
サラリーマン
日本文化に詳しい人は和製英語の「サラリーマン」について知っている人もいますが、そうでない人にI’m a salary manと言ってしまうと、「私は給料男です。」という意味になってしまい、相手を混乱させてしまいます。英語では会社員の人をoffice workerと言います。
フライドポテト
フライドポテトは、friedとpotatoを合わせた和製英語です。アメリカではFrench fries、イギリスではchipsを注文しないと日本人がイメージしているフライドポテトは出てきません。ちなみにポテトチップスは、アメリカではchips、イギリスではcrispsです。
まとめ
日本人が日常的に使用しているカタカナ語は、英語で発音しても意味が異なったり通じないものが多いので、日本人の英語学習者はカタカナ語と英語を混同しないように気をつける必要があります。新しく覚えた英語をいつもカタカナで表記している人は、まずその習慣をやめることが重要です。