初対面の人との英会話において、会話の最初と最後をマスターすることが重要だと過去2回の投稿(①会話の始め方と②会話の終わらせ方)でお伝えしました。今日は初対面の人との会話の内容を充実させるための自己紹介の仕方を紹介します。
誰もが必要とする英語での自己紹介
英語を学ぶ際、自分の人生にとって価値のある英語力を習得することが大切だと私は考えていますが、どんな方にとっても必要な基本の英語スキルも存在します。その一つが自己紹介の英語です。外国人の友達を作る時も、ビジネスで英語を使う時も、旅行先でトラブルに巻き込まれないためにも「自分が何者か」を説明できないと困ります。しかし、驚くべきことにとても多くの英語学習者の方が基本的な自己紹介の会話を苦手としています。その原因として:
- 自己紹介のフレーズを事前に準備していない
- 自分が言うフレーズは暗記したけど、相手に聞かれる質問のバリエーションを知らない
- 話題のストックが足りない
- リアクションのバリエーションが少ない
- 会話の練習(ロールプレイ)をしていない
などが挙げられます。今日は1〜5の問題を解決するための最初のステップとして、初対面の会話で最もよく聞かれる二種類の質問と回答の例を紹介します。
自己紹介によく使われる質問とフレーズ
What do you do?
職業を尋ねる時にネイティブの人が最もよく使うフレーズです。What do you do for a living?やWhat do you do for work?などの長いバージョンも使います。教科書に載っているようなWhat is your job?やWhat is your occupation?などのフレーズも意味は同じですが、言い方によっては事情聴取のような印象を与えてしまうので、注意が必要です。
▶︎回答:
一番簡単な答え方は「私は〜です」と職業のタイトルを伝える形です。(例:I’m a maths teacher. / I’m an accountant. / I am a housewife. / I am a police officer. )よくある間違いはI’m office worker.のように冠詞(a / an / the)を忘れてしまうケースです。世界中に一人しかいない職業の場合、a / anではなくtheを使います。(例:I’m the CEO of Google. / I’m the Prime Minister of Japan. )
他には「私は〜をしています」という答え方もできます。(例:I work for a small startup company in Tokyo. / I run an online marketing business. / I’m currently looking for a job in sales. )
▶︎リアクション:
相手に質問を聞き返す時には同じ言い回しを使っても、How about you?と聞いても大丈夫です。相手の回答(例:I’m an architect.)に対するリアクションには、オウム返し(例:Oh, you’re an architect! )、別の言葉で言い換えるパラフレーズ(例:You design buildings!)、簡単な補足質問(例:How long have you been working as an architect?、How did you get into architecture?)などが役立ちます。
Where are you from?
海外でこの質問をされた場合、「どこから来たの?」という意味です。日本で聞かれた場合は「出身はどこ?」と捉えるのが一般的です。似たような質問にWhere have you come from?(どこから来たの?)、Where are you based?(どこに住んでいるの?)、Where is your hometown?(地元・出身地はどこ?)などがあります。
▶︎回答:
海外で聞かれた場合、最初の回答はJapan.やI’m from Japan.で大丈夫ですが、その後にWhere in Japan?(日本のどこ?)やWhich part of Japan?(日本のどの地域?)などと聞かれる可能性も高いので、自分の住んでいる地域や出身地を簡単に説明するためのフレーズやその場所のおすすめを教えてあげるためのフレーズを準備しておくと良いです。(例:I’m from Hokkaido, which is in the north of Japan. Hokkaido is famous for ski resorts and fresh seafood.)
▶︎リアクション:
どこでどんな相手と話すかにもよりますが、例えば日本で外国の人と話している場合、相手の回答(例:I’m from Paris.)に対して、その場所に対するポジティブな感想(例:I went to Paris last year with my husband and we really enjoyed it!)や行ってみたい思いを伝えたり(例:I’ve never been to Paris but I’d love to visit the Louvre Museum someday.)、その場所でのお気に入りを聞いたり(例:Where is your favourite place in Paris?)、相手の話す言語を教えてもらったりすること(例:How do you say “Good evening” in French?)で会話を膨らませることができます。他には、日本での滞在期間(例:How long are you staying here?)、日本の印象(例:How are you finding Japan?)、日本の食べ物(例:Have you tried Japanese food?)などについて聞けるようにしておくと話題に困った時に便利です。
今日紹介した二種類の話題は、イギリスに18年以上住んでいる私が初対面の人との会話で最もよく聞かれることです。初対面の人との会話を上達させるための最初のステップとして、今日の質問のバリエーションを覚え、回答用のフレーズを予め準備し、ロールプレイの練習をすることをおすすめします。